お店には、製氷機がありません。
いつも、氷屋さんから仕入れた氷を自分で割っています。
この仕込みがなかなか大変なのですが、いろいろ試行錯誤して、だいぶ効率よく仕込めるようになりました。
ということで、この氷の仕込みについて書きます。
現在、氷屋さんに店のカギを預けて、午前中に配達をしてもらい、冷凍庫に納品してもらっています。
その氷をそのまま割るのではないのです。
まずは、氷をお湯で表面を洗います。ただ、冷凍庫に入っていた氷をいきなり洗おうとすると、氷とお湯の温度差があるため、あちこちヒビが入ってしまいます。だから、氷を洗う前に冷凍庫から出して、常温で1時間くらい放置して、氷を緩めます。
緩んだ氷を洗い、包丁で6等分します。これは、氷1貫を一気に割ろうとすると、大体30分くらいかかり、割っている間に溶け出して、割った氷が冷凍庫の中で引っ付いてしまうので、6等分した氷を少しずつ割るようにしているからです。
そして、6等分した氷は冷凍庫で数時間、もう一度締め直します。氷は、締まって硬い状態のほうが割りやすいのです。
締まった氷は、一塊ずつ使いやすい大きさにアイスピックで割っていきます。大体12等分を目安にしています。だから、1貫の氷で大体72個に分ける感じです。少し大きめの氷にしておいて、あとは使う時に、小さいものが必要なときはその場で細かくするようにしています。
最近、アイスピックで氷を割っていて思うのが、焦ったり力を入れて割ると、きれいに割れてくれません。ちょっと力を抜いてポイントにちゃんとアイスピックを入れてあげるときれいに割れてくれて、時間もかからずに仕込むことが出来ます。
これって、ほかの仕事にも共通することだなと思います。
全力で頑張るより、少し力を抜いているほうが、うまくいく感じです。
その氷をもう一度締めた状態が仕事で使う氷です。
緩めたり、締めたり、結構時間がかかってしまいますが、バーにとっては、氷はとても大事です。
だから、心を込めて、氷を仕込むようにしています。
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